ここ数年間でIoTサービスが一般の消費者向けにも普及してくるようになり、世界中の多くの企業がこの分野に参入してきています。とはいえ、IoTを使ったソリューションを提供するには、ソフトウェアの面だけではなくハードウェアの開発や業務改善コンサルティングなど、幅広い分野の知見・技術が必要となります。

今回取材させていただいたアイフォーコム株式会社様は、これまで培ってきたシステム開発や業務改善コンサルティングの経験をIoTサービスの開発に活かし、それをワンストップで提供することで、顧客が持つ課題を解決に導くICT企業です。

そんなアイフォーコム様の強みを、横浜開発センタの執行役員海外兼スマートコミュニティ事業責任者の広川正和様とグループ本社経営企画室事務局主査の遠藤理子様のお2人に伺ってきました。

【IoT(Internet of Things:モノのインターネット)について】
今回、IoTを語るにあたりその全体像ですが、IoTというのは

  1. センシング:温湿度や加速度などのアナログデータをセンサで収集する
  2. システム開発:アナログデータをPCが処理できるデジタルデータに変換する
  3. ソフトウェア:人間がわかるようにデータを「見える化」する
  4. コンサルティング:目の前にあるデータを分析する
  5. アクチュエート:分析結果をもとにモノを制御するor人間が行動する

の5つの工程を1セットとして考えます。

これまでもインターネットを通じて情報のやり取りをすることはありました。
ただ、機械同士で情報のやり取りをするM2Mと、私たち人間同士がやり取りをするPtoPの2つが分断されている状態でした。
IoTは1~5を1つと考えることで、M2Mの世界とPtoPの世界をつなげる役割を担っているともいえます。
* M2M:Machine to Machine
* PtoP:Person to Person

33年間培ってきた組み込みシステムを武器に、IoTへ本格参入



ー本日はよろしくお願いいたします。
IoT事業にビジネスフィールドを拡大させるとのことですが、改めて御社の強みを教えていただいてもよろしいでしょうか。

アイフォーコム 広川様アイフォーコム 広川様

弊社の強みの一つは、創業から33年間培ってきた組み込みシステム開発、業務システム開発、及びネットワークシステム開発のノウハウを持っている点です。

例えば、今使っているボイスレコーダー。これも中にプログラムが入っています。このようにモノに機能を持たせるシステム開発のことを「組み込みシステム」と呼びます。

私たちはこれまで広い業界にわたってお客様の組み込みシステムの受託開発を行ってきまして、活動領域も日本全国にわたります。今、IoT分野にはWebシステムの企業が多く参入していますが、組み込みシステムを開発できる中小企業は実はあまり多くはありません。

IoTのシステムを作る際、避けて通れないのは「アナログデータをデジタル化すること」です。私たちのように組み込みシステムの開発ノウハウを持っていると、ここの領域にスムーズに入っていくことができるので、ここは一つの強みだといえますね。

ハード、ソフトからネットワークシステムまですべて自社で完結できる

アイフォーコム 広川様アイフォーコム 広川様

また、ハードウェア開発からソフトウェア開発、さらにはコンサルティングまで一貫して行えるのが自社の大きな優位性だと考えています。

これまでアイフォーコムはシステム開発とソフトウェア開発が主でしたが、現在ではアイフォーコムグループとしてIoTサービス開発の全工程をワンストップで担えるようになりました。

コンサルティング業務については、2012年にエコプロ株式会社(現:アイフォーコム・スマートエコロジー株式会社)を設立し、主に環境事業のコンサルティングを行っています。センシングを行うセンサ類の開発・製造はアイフォーコム京栄株式会社が担っており、こちらも2016年から正式にグループ会社となりました。

お客様の立場から見たときに『プログラムは開発できますけど、ハードウェアの設計はできません』ということになったら、別の企業様を探さなければいけませんよね。それぞれの企業に発注する手間も時間もかかってしまいます。

弊社はすべての工程を自社内で完結できることから、経営課題に対する解決策を幅広い技術領域から検討・提案・開発・運用までワンストップで提供することができます。

アイフォーコム 遠藤様アイフォーコム 遠藤様

従来の組み込みシステムを中核としてハードウェア、ウェブ、コンサル・・・、これらすべてを一貫して受けることができるのは、IoT分野にとって非常に優位だと、私たちは思っております。

ワンストップにすることで早さと質を上げていく



ー ハードの開発からコンサルまで一貫して請け負えるとのことですが、ワンストップならではのメリットは何でしょうか。

アイフォーコム 広川様アイフォーコム 広川様

開発スピード・意思決定の早さがありますね。現場で利用してもらいながら、お客様の要望に合わせて商品をブラッシュアップしていきます。今まで開発では、システムの要件を決めて、開発して、テストして、納品するという一過性の開発が主でしたが、IoTサービスは絶えずサービスを改善していく事が求められます。現場の要求に対してどれだけスピード感をもって深く改善できるかが、IoTサービス開発の要諦となります。

アイフォーコム 遠藤様アイフォーコム 遠藤様

また、弊社ではUI/UXデザイナーも採用して、システムデザインの機能性とデザイン性の両立を図るようにしています。

『社内システムデザインは味気ない』そう感じられるお客様が多いです。弊社の公式ホームページもデザイナーに手がけてもらい、それをお見せすることで、お客様がより安心して発注できるように意識しています。もちろん、デザイナーを自社採用することで開発スピードをより早くするためという理由もあります。

組み込みシステムに参入したきっかけは、携帯電話の普及から



ー強みの一つに「組み込みシステム」を挙げられていましたが、そこに参入するきっかけなどはあったのでしょうか。

アイフォーコム 広川様アイフォーコム 広川様

組み込みシステムに本格参入したのは1990年代、携帯電話が急速に普及した頃からでした。

創業した1985年はまだ「IT企業」という概念はありませんでした。ただ、この相模原という土地は横浜に隣接している関係上、当時からさまざまな工場やメーカーが入っている地域でしたので、工場内のパンチャー支援や業務システムの開発などを中心に行っておりました。1990年代に入ると携帯電話の市場が一気に大きくなり、キャリア(通信事業者)から基地局システムの開発・運用や、モバイル端末の開発などを受託するようになりました。

そのあたりから組み込みシステムの事業が広がっていきましたね。次第に神奈川や都内にも進出し、今となっては北海道から福岡まで全国に拠点をかまえています。

「作業者みまもりサービス」と「eco pro21」の2つがIoTの主力商材

ー御社のなかの主力商品としてはどのようなものがありますか?

アイフォーコム 広川様アイフォーコム 広川様

1つは現場作業者の安全管理を行う「作業者みまもりサービス」、もう一つは企業のエネルギーコストの削減を行う「eco pro21」です。

作業者みまもりサービスは元々、株式会社中電工様の経営課題を伺う機会があり、それを一緒に解決しようと協働した結果生まれたIoTサービスです。ある種のオープンイノベーションともいえるでしょう。

中電工様は外で電気工事を行っている会社なのですが、真夏の炎天下で作業をしていると熱中症のリスクが高まり、作業者の安全確保が難しいというお話でした。そこで弊社としては、作業者のスマートフォンとセンサを使って熱中症の危険度を予測し、リスクが高まるときには警告を鳴らすようなシステムを作りました。また、作業者の状態 ー「立っている」「伏せている」「転んだ」などー を常時把握し、非常時にはすぐに管理者に連絡がいくようにもしています。

作業者みまもりサービス管理画面

ーもう一つの「eco pro21」はどのようなものでしょうか?

こちらは企業の業務を省エネという観点から見直し、企業の排出するCO2の削減、電気料金の削減に貢献する商品です。単純にエネルギーの使用量を見える化するだけでなく、どうしたらコスト削減につながるかを一緒に考えていく業務改善コンサルティング業務も行っております。

先ほどのみまもりサービスは作業者(人間)にセンサをつけていましたが、eco pro21は建物のそのものにセンサを設置します。視覚的に消費電力の状況がわかるだけでなく、電気のOn/Offや空調温度の自動調整なども行い、企業様の節電効率を高めるシステムです。

どちらの商品も、センサで収集したデータを統合しリスクが高まる状況になったら警告を促す、つまりリスクを見える化するという点では共通しています。

上記以外の受託領域

ー先ほど紹介いただいた2つのプロダクト以外には、どのようなものがあるのですか?

例えば、就職支援システムの「学職」があります。学生カルテ、企業の来訪履歴、OB情報、求人票などを一元管理することで、大学の就職課に留まらず学科や研究室単位での就職支援に役立てることができます。

アイフォーコム 遠藤様アイフォーコム 遠藤様

アイフォーコムでは新商品の開発のために、「商品提案制度」というものがあります。「学職」も大学へのフィールドリサーチによって生まれた商品の一つです。

また、産学連携として明治大学と連携し「AIを使った電力予測」のシステム開発に携わったこともあります。プロダクト化しているわけではありませんが、こうした機会でAIを使ったシステム開発のノウハウも習得し、今後の事業に活かそうと思っております。

IoTで目指すのは、お客様が持つ課題に技術で応えられること

ー最後に今後の事業展開についてお話を聞かせてください。

IoTの市場はまだまだ広がっていきますが、私たちはIoT事業そのものを拡大していくことが目的ではありません。弊社には「社会の課題に技術で応える」という想いがあります。「今まで培った組み込みシステムのノウハウ」×「ワンストップ」を武器に、IoTを通じてお客様が持つ課題を一つでも多く解決していけたらと思っております。

また、都市のさまざまなデータをもとに、社会課題を解決していく、スマートな街づくり、スマートコミュニティの構想も今後の検討内容に入っていますね。

ーお忙しい中ありがとうございました。

 

アイフォーコム株式会社

所在地:〒221-0835 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町3-29-11 アイフォーコム横浜ビル
事業所:横浜、相模原、赤坂、札幌、仙台、弘前、盛岡、名古屋、吹田、広島、福岡
設立:1985年10月
電話:045-412-3010 / FAX:045-412-3002
資本金:1億円
URL:http://www.iforcom.jp/

あとがき

~アイフォーコム株式会社様の魅力~

  • IoT業界への参入に必要な組み込みシステムのノウハウを、30年以上蓄積してきた
  • ハードウェア設計からソフトウェア開発、コンサルティング業務まですべて自社で対応できる
  • ワンストップであることから、お客様に密に寄り添った提案ができる

「組み込みシステム」「IoT」といった言葉を聞くとどこか堅苦しい感じを受けますが、アイフォーコム様を取材していて思ったのは「安心感」の3文字でした。
技術的な面はもちろんですが、『この企業にだったら安心して任せられそう』という雰囲気は30年以上続いてきた礎があるからこそだと思います。

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